タイミングベルトは、主な構成として心線、背ゴム、歯ゴム、歯布がありますが、これら以外にも重要な部位はあります。

まず、バックブラシと呼ばれる部分です。
これは、歯付きベルトと歯付きプーリがかみ合った際の歯面間の隙間です。
なお、プーリとはベルトを回転させる為の滑車のことです。
このバックブラシは、両パーツのかみ合いの時の干渉を防ぐ為のもので、しっかり設定されていないと円滑な伝動ができません。

また、ベルトの脱落を防止する為のツバがプーリの両側、あるいは片側に付けられていますが、これをフランジと言います。
歯付きベルトをしっかり動かす為に必要な部位です。
設計によっては、全てのプーリではなく特定の物のみにフランジを付けるだけでかまわないということもあります。

単純にベルトとしてだけ回っていれば良いというものではないという事が、これらの部分からもわかるかと思います。
タイミングベルトを円滑に動作させるには、様々な工夫がなされているのです。
タイミングベルトを取り替える時に、材料費より工賃が遥かに高いのは、こういった複雑な設計の元に構成されていて、外すのに一苦労するからです。

タイミングベルトは、綿密な計算によって設計される事で、走行距離10万kmまで耐える事が可能となっています。
その計算が狂ってしまうと、強度は極端に落ち、交換時期がかなり早まってしまうでしょう。
環境やドライバーの運転状況次第で変わるとはいえ、10万kmという交換時期の目安が成り立っているのは、ゴムの性質を限界まで引き上げている設計の賜物と言えます。

そんなタイミングベルトの設計には、いくつかの重要な数値や係数があります。
主な物としては、ベルトの単位質量、ベルト幅補正係数(Kw)、ベルト長さ補正係数(KL)といったところです。
これらのどれが狂ってしまうと、一気に耐力、伝動力が落ちてしまうでしょう。

まず基本となるのが、ベルトの単位質量です。
ベルト一本辺りの総質量の算出、ベルトの張力測定の基準値として用いられます。

ベルト幅補正係数は、ベルト幅が標準幅以外の場合に使用されます。
この補正係数は、ベルトの総伝動容量を算出する場合に用います。
ベルトが標準幅より広いほど数値は大きくなり、細いほど小さくなります。

それに対し、ベルト長さ補正係数はベルトの長さが標準長さ以外の場合に用いる係数です。
これも、ベルトの総伝動容量を算出する場合に使用します。
この係数は、ベルトが標準長さより長ければ長いほど大きくなり、短いほど小さくなります。

こういった計算に必要な係数は、タイミングベルトをいかに丈夫にするか、伝動力を高めるかを研究する上で欠かせないものです。
こういった研究を常日頃行っているメーカーは、ベルトの交換時期を少しでも遅くして、ドライバーの負担を少なくしようと日々励んでいるわけです。


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