タイミングベルトができるまで
タイミングベルトの交換時期に、あえてタイミングベルトについてじっくり観察したり、調べたりする人は少ないでしょうが、こういった交換時期のような機会でないと中々タイミングベルトに興味を持つこともないというのが実情でしょう。
折角ですので、交換時期ついでにタイミングベルトがどのような構成になっているのかをここでちょっと触れていって下さい。
タイミングベルトは、単純にゴムをベルトにして終わり、という作り方をされているわけではありません。
様々な工程を経て、綿密な計算の元に作られる部品です。
ここでは、そんなタイミングベルトができるまでを、タイミングベルト発祥メーカーの後継であるゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社の例を謎ってご説明します。
まず最初に行われるのは、歯布処理です。
ゴムと接着させる為、耐久性をつけるために歯布の素材となる布地に処理を施します。
次に行われるのは、心線の作成です。
心線は強度、柔軟性に優れた繊維を使用するのが一般的です。
ゲイツ・ユニッタ・アジアではガラスやアラミドの繊維を使用しています。
それが終わると、今度はゴムの加工です。
タイミングベルトに必要な耐久性、強度、耐磨耗性、耐候性を備えたゴムとなるような配合で合成し、規定の厚さにする処理を施します。
これが終わると、次は歯布の準備です。
規定の長さに裁断し、それをエンドレス状に縫合します。
ここまでが準備段階となります。
これらの処理は、各材料にタイミングベルトとしての性質を与える為の物です。
主に耐久性をと伝動性を高める為の処理と言っても良いでしょう。
こういった処理を行うことで、タイミングベルトの交換時期は長くなっているのです。
タイミングベルトは、その交換時期が特に注目されますが、交換時期に重要なのはやはり製品の材質の耐力です。
ですので、特殊加工を施すこれらの作業は非常に重要という事になります。
タイミングベルトの各パーツの処理が終わったら、次はいよいよ成形となります。
まず金型に歯布を装着し、次に一定の張力で心線を歯布を装着した金型に螺旋状に巻きつけます。
そして、規定の長さに裁断してあるゴムを、金型に巻きつけます。
こうする事で、タイミングベルトの形が整います。
次に加硫し、しっかりと成形させた後で、筒状となっているベルトを金型から抜き取ります。
この時点で、各パーツはしっかりくっついているので、形はでき上がっています。
この状態のことをスラブと言います。
この後行うのは、仕上げです。
まず背面を研磨し、スラブを規定の厚みにします。
次にベルトサイズやロットナンバーをスラブの背面に印刷し、所定幅に裁断して、でき上がりです。
後は、長さと外観の検査を行い、問題ない物をタイミングベルトとして梱包し、出荷する事になります。
以上が、タイミングベルトの製造工程です。
こういった工程を経て作られたタイミングベルトを、新しい車、あるいはベルトの交換時期が来た車に装着するわけです。
タイミングベルトは、一見ただ何の変哲もないベルトのように見えますが、そこには様々な工夫がなされています。
設計にしても、使う材料にしてもそうです。
決して高価な材料を使っているわけではなく、ベルト自体の価格は対して高額ではないのですが、交換時期にかなり出費する理由は、こういったところも加味されての物です。
タイミングベルトの交換時期が来たら、こういった工程を経ている事を思い出し、その苦労に心の中で拍手を送りつつ取り替えてみると、多少は出費の哀しさがなくなるかもしれませんね。
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